※本記事はPRを含みます。Claude AIを活用し、2026年4月時点の公開情報をもとに執筆しています。固有のキャンペーン条件・料率・条文番号は、公開時点で各社公式サイトおよびe-Gov法令検索等で最新情報をご確認ください。
『「キャッシュレス決済 初期費用 0円」――広告にはそう書いてある。けれど本当に0円なのか?』『レシートプリンターやWi-Fiまで含めると、自分の店ではいくら必要になるのだろう?』『0円スタートで足りる店と、有料プランを選ぶべき店の境界線はどこにあるのか?』
本記事はこの3つの問いを正面から検証します。書き手は47歳・トラックドライバーで開業準備中の僕、KOEDAKEです。専門家ではないけれど、公的データと各社公式情報だけを軸に、中立の立場で書きました。
そもそもこの記事は誰のためか/読まなくていい人へ
この記事を読まなくていい3パターン(別記事誘導)
先に正直に書いておきます。この記事は次の3パターンの方には向いていません。それぞれ別の記事のほうが役に立ちます。
- 業種ごとに最適な決済サービスを選びたい方 → (業種別判断+補助金活用)へ [記事14リンク]
- 個人店で「0円導入」のオペレーションだけを知りたい方 → 記事4(個人店舗の0円導入)へ [記事4リンク]
- 開業準備の全体像から把握したい方 → 記事1(開業準備チェックリスト・ピラー記事)へ [記事1リンク]
この記事の主題は「初期費用そのもの」です。決済端末代だけでなく、レシートプリンター・iPad・Wi-Fiといった周辺機器、そして入金サイクルによって必要になる手元資金まで含めた総額を、5つの要素に分解します。そのうえで、「0円スタート」が本当に成り立つ店、有料プランを選ぶべき店の境界線を、中立の立場で検証します。
手数料率の優劣比較や補助金の詳細、POSレジの機種選びには踏み込みません。それぞれ別記事に専門ページを用意しています。
この記事が答える3つの問い
僕自身、開業準備中の身ですが、普段の会計はVisaのタッチ決済派で、楽天ポイントとPayPayを場面で使い分けるごく普通の消費者です。
先日、近所のパン屋さんで会計時に「お客様すみません、現金のみの取り扱いになります」と言われました。その時財布に小銭しか入っておらず、結局買うのを諦めた経験があります。レジで並んでいた後ろの人にも申し訳なくて、あの瞬間に「自分が店をやるなら絶対にキャッシュレスは入れる!」と決めました。
ただ、調べ始めてすぐに困りました。「初期費用0円」と書いてある広告は山ほど見つかります。けれど、本当に0円なのか?自分の店だといくらかかるのか?を正面から書いた記事はほぼ見当たりません。本記事はその違和感を元に、次の3つを検証します。
- 「初期費用0円」って本当に0円なのか
- 自分の店だと、総額でいくらかかるのか
- 0円スタートで足りる店と有料プランを選ぶべき店の境界線はどこか
そもそも、なぜ決済代行業者は端末を0円で配れるのか。素人目には「広告で配って、後から手数料か別の何かで回収しているのでは」と疑いたくなると思います。
この素朴な推測が当たっているかどうかは、公正取引委員会の2022年4月公表「クレジットカードの取引に関する実態調査報告書」と、2025年6月公表の事後検証で答え合わせができます。詳しくは後述の「『初期費用0円』の裏側を解剖する5つの代償」で解剖します。
キャッシュレス決済の初期費用は5要素で決まる
「初期費用=端末代」と思っていると、開業直後に手元資金が足りなくなって慌てます。実際は次の5つの要素を合算して見るのが正確です。まずは全体像を1枚にまとめます。
| 要素 | 内容 | 金額レンジの目安(2026年4月時点) |
|---|---|---|
| ① 決済端末本体代 | カードリーダー/決済端末そのもの | 0円〜30,000円程度 |
| ② 設置・初期設定費 | 自己セットアップが基本/隠れコスト | 自己作業なら0円〜数千円 |
| ③ POS連携費 | 連携アプリ・連携設定費 | 0円〜数千円/月(POS本体は別) |
| ④ 周辺機器 | レシートプリンター・iPad・Wi-Fi | 数万円〜十数万円 |
| ⑤ 入金サイクルによる手元資金 | 入金されるまでの仕入れ・人件費の手当 | 業種・月商により大きく変動 |
※具体額はサービス・機種・契約条件によって変動します。最新値は各社公式サイトでご確認ください。
要素①:決済端末本体代
決済端末そのものの代金です。モバイル系端末の本体代は、サービスごとに「通常販売数千円〜」から「キャンペーン適用で0円」までの幅があります。
たとえばSquareの最廉価モデルは2026年4月時点で通常販売(4,980円程度・税込)が中心で、時期により紹介プログラムや乗換キャンペーンが提供されます。一方、AirPAY・PayCAS Mobileは「0円スタート」型のキャンペーンを常設で展開しています。
ただ注意点が2つあります。第一に、キャンペーンの適用条件と終了予定は2026年4月時点の情報で、各社公式サイトで最新を確認する必要があります。第二に、本体代0円でも次に挙げる②〜⑤の要素は別途発生します。
要素②:設置・初期設定費(自己セットアップが基本/隠れコストの正体)
5サービスの主流はモバイル系で、店舗側が箱を開けて自分でセットアップする「自己セットアップ」が基本です。ここに業者派遣費はかかりませんが、別の隠れコストが3つあります。
- レイアウト変更費:レジ周りの什器の入れ替えや、配線の取り回し工事
- スタッフ研修費:操作習得にかかる時間×時給で計算する人件費
- POS同期作業費:自分で同期できなければ業者依頼費、自分でやるなら作業時間×時給
いずれも金銭換算できる費用です。ゼロにはなりません。
要素③:POS連携費
決済端末をPOSレジと連携させる費用です。連携アプリの月額・連携設定費は0円〜数千円/月のレンジに収まることが多いものの、サービスとPOSの組み合わせで条件が変わります。POSレジ本体の機種選び・無料POS比較は、本記事の主題から外れるため下の記事にて詳述しています。


要素④:周辺機器(レシートプリンター・iPad・Wi-Fi)
ここが最も見落とされる要素です。
検索でも「キャッシュレス決済 wi-fi」「wi-fiなし」が頻出するように、周辺機器の準備は実はキャッシュレス導入の重要な要素の1つです。レシートプリンターは機種・接続方式で価格帯が分かれ、新品か中古かでも大きく差がつきます。
iPadは新品最廉価モデルと中古市場では相場が異なるため、保証の有無も含めて区別して検討する必要があります。
Wi-Fiは法人向けプランの月額が継続的に発生します。「Wi-Fiなし運用」は、LTE内蔵の決済端末や、モバイルWi-Fiルーターを併用すれば技術的には可能です。ただし通信安定性とランニングコストの兼ね合いで、店舗運用に向くかは業態次第です(詳細は記事末尾のFAQで補足)。
各品目の2026年4月時点の市場価格は、購入直前に最新の販売サイトで再確認してください。
要素⑤:入金サイクルによる手元資金
ここが競合記事で最も書かれていない要素です。決済代金は店舗にすぐには入りません。たとえば月2回入金のサービスを選んだ場合、半月分の仕入れ・人件費・家賃を「手元現金」として用意しておく必要があります。
これを軽視すると、売上は出ているのに支払いが回らない事態になります。「初期費用」を端末代だけで考えるのではなく、入金サイクルが回り出すまでの運転資金(「手元資金」とも呼びます)を5要素目として組み込んでおく必要があります。
具体的な入金サイクルは各社で異なるため、申込前に必ず公式の入金スケジュールを確認してください。
主要5サービスの初期費用「だけ」横並び比較
ここでは初期費用に絞って5サービスを並べます。手数料率と入金サイクルの優劣比較は記事14のテリトリーなので、本記事では除外します。あくまで「前章で示した5要素のうち、端末代・設置費・周辺機器要否」だけで横並びにします。

5サービスの初期費用比較表(手数料・入金サイクルは除外)
| サービス | 端末本体代 | 設置・初期設定 | 周辺機器要否 | 主な対応決済 |
|---|---|---|---|---|
| Square | 通常販売(4,980円程度・税込/2026年4月時点)/時期により紹介・乗換キャンペーンあり | 自己セットアップ | レシートプリンター別売/iPad/スマホ必要 | クレカ・電子マネー・QR |
| AirPAY | 「0円スタートキャンペーン」適用でカードリーダー0円 | 自己セットアップ | iPad推奨/プリンター別売 | クレカ・電子マネー・QR |
| PayCAS Mobile | 端末一体型(プリンター内蔵モデルあり) | 自己セットアップ | iPad不要・プリンター不要の構成可 | クレカ・電子マネー・QR |
| PAYGATE | 端末ラインナップ複数/キャンペーン条件あり | 自己セットアップ | プリンター内蔵モデルあり | クレカ・電子マネー・QR |
| USEN PAY | 端末プランによる | 自己セットアップ/POS連携時は要確認 | プランにより構成が異なる(POSレジ非保有店向けの簡易レジ一体型あり) | クレカ・電子マネー・QR |
※2026年4月時点の構成です。具体的な料金・キャンペーン条件・対応決済の最新情報は各社公式サイトで必ずご確認ください。
表の見方は単純です。Square・AirPAYはiPadやスマホ+別売プリンター前提のため、本体0円でも周辺機器の追加投資が発生する可能性があります。一方、PayCAS MobileやPAYGATEはプリンター内蔵の一体型モデルがあり、周辺機器の追加投資を抑えやすい構成です。
USEN PAYは4種類のラインナップ(オールインワン端末・モバイル型・簡易レジ一体型・QR専用)があり、選ぶプランで初期費用と月額構造が大きく異なるため、他4社と単純比較しにくい点に留意が必要です。
比較表だけでは決まらない理由
横並び表は、初期費用の概算をつかむには便利です。けれど、これだけで契約先を決めるのは早計です。理由は2つあります。
第一に、「初期費用0円」と書かれた裏側には、本記事の次章で解剖する5つの代償があります。手数料率の上乗せ構造、解約金・違約金、最低決済額、長期利用条件、対応ブランドの絞り込み。これらは初期費用の見かけが小さい代わりに、運用フェーズで効いてきます。
第二に、自分の店が「0円スタートで足りる店」なのか「有料プランを選ぶべき店」なのかは、月商・キャッシュレス比率・客単価の3軸で大きく変わります。これは次章の業種別早見表で判定します。
つまり、初期費用は横並びで比較できますが、5代償と境界線判定の2つを通さないと、結論は出せない。次章から、その2つを順に解剖していきます。
【AirPAY】
【Square】初期費用0円、入金は最短翌営業日月額固定費なし、主要カードブランドの決済手数料2.5%の決済を。
「初期費用0円」の裏側を解剖する5つの代償
「端末0円」が成り立つのは、決済代行業者が別のかたちで収益を回収できるからです。けれど、その回収方法は店舗側にとって「代償」として返ってきます。本記事ではこれを5つに分けて解剖します。まず全体像を1枚で俯瞰します。
| # | 代償 | 効いてくる場面 | 影響度の傾向 |
|---|---|---|---|
| ① | 手数料率の上乗せ構造 | 売上が伸びるほど効く | 中〜大 |
| ② | 解約金・違約金 | 乗換・解約のとき | 中 |
| ③ | 最低決済額・月間下限 | 売上が小さい月に効く | 中 |
| ④ | 長期利用条件と、その縛りを破る乗換時コスト | 契約から数ヶ月〜数年で効く | 大 |
| ⑤ | 対応ブランド絞り込みによる二重投資リスク | 客層が広がったとき効く | 中 |
代償①:手数料率の上乗せ構造
公正取引委員会が2022年4月に公表した「クレジットカードの取引に関する実態調査報告書」では、加盟店の規模によって手数料率の傾向に差が見られるとまとめています。その後、2024年秋以降には中小企業向けの低手数料プランが登場し、2025年6月公表の事後検証でも傾向の継続と新プラン登場の動きが報告されました。
つまり、初期費用を0円に抑えた小規模店舗ほど、相対的に高い手数料率で運用してきたケースが起こり得る構造です。これに対応する形で、Squareの中小事業者向け優遇プランのように、規模に応じて料率を下げる仕組みを持つサービスも登場しています。具体的な料率は変動するため、申込前に各社公式の最新料率表で確認してください。
代償②:解約金・違約金
「端末0円」の中には、最低利用期間の途中で解約すると、端末代の残債や違約金が発生する設計のサービスがあります。
これは長期利用条件(代償④)と一体で効いてきますが、まず「解約・乗換のときに何円かかるか」だけを切り出します。一方で、Square・AirPAYのように違約金・最低利用期間が設定されていないサービスもあります。
サービスごとに条件が分かれるため、契約前に必ず公式FAQで「解約手続き」「最低利用期間」のページを確認しましょう。0円スタートのサービスを選ぶ際は、申込書面を保管し、解約条件のスクリーンショットを残しておくことを強くおすすめします。
代償③:最低決済額・月間下限
月間の決済額に下限が設定されているサービスもあります。
下限を割ると端末代相当が請求される、月額料金の割引が外れるなどの形で効いてきます。ただし、本記事の対象5サービス(Square・AirPAY・PayCAS Mobile・PAYGATE・USEN PAY)に限れば、月間決済額の下限条件は2026年4月時点の公式情報では確認されませんでした。とはいえ、決済代行業界全体としては「月額固定費・契約期間・最低決済額」のいずれかが設定されているサービスは存在します。
たとえば月額固定費が発生するサービスでは、決済額にかかわらず一定の月額負担が継続します。開業初月や閑散期に売上が読めない業態(季節性の高いカフェ・週末営業の小売など)では、こうした条件が想定以上に効いてくる場合があります。月商の谷底でも各社の月額条件・下限条件をクリアできるかを、契約前にシミュレーションしておく必要があります。
代償④:長期利用条件と、その縛りを破る乗換時コスト
ここは2つの概念が一体で動くため、まとめて理解する必要があります。多くの「0円端末」には最低利用期間(縛り期間)があり、その期間中に他社へ乗り換えると、解約金(代償②)に加えて乗換時の二重投資が発生します。
具体的には、新しい決済代行への申込費・端末入替の作業時間・周辺機器の再購入が重なります。たとえばAirPAYからPayCAS Mobileに乗り換える場合、AirPAYの解約金を払ったうえで、PayCASの新端末・新たな初期設定・スタッフへの再研修が必要です。つまり「縛り期間中の乗換」は、初期費用を実質的にもう一度払い直すことになります。
だからこそ、最初の選定で「長期で使えるか」を見ておく重要度が、他の代償より一段高いのです。
代償⑤:対応ブランド絞り込みによる二重投資リスク
決済代行業者ごとに対応ブランドのラインナップは異なります。クレジットカード国際5ブランド、電子マネー(交通系・流通系)、QRコード決済(PayPay・楽天ペイ・auPAY等)のうち、契約プランによっては一部しか対応しない場合があります。
ここで起きるのが二重投資です。たとえば「クレジットカードだけ」の決済代行で導入した後、お客様から「PayPayは使えますか?」と毎日聞かれて、別のQR決済代行を追加契約する。すると初期費用と月額費用が2社分発生します。代償④の乗換時コストと違い、こちらは追加・併用による二重投資で、契約期間の縛りとは無関係に発生します。
開業前の対応ブランド選定では、まず自店の客層を観察し、現金以外で実際に使われそうな決済手段をリストアップしてから、それを過不足なくカバーするサービスを選ぶのが定石です。
キャッシュレス決済をまとめて導入・管理するなら【PayCAS Mobile】
5つの代償を1つの端末でカバーしたい場合、PayCAS Mobileは対応ブランドの幅広さと一体型端末(プリンター内蔵モデル)が候補になります。あくまで選択肢の一つとして、契約条件と最新キャンペーンを公式サイトで確認してみてください。
0円vs有料の境界線判定|業種別早見表
「0円スタートで足りる店」と「有料プランを選ぶべき店」の境界線は、月商や売上規模だけでは決まりません。3つの軸を組み合わせて見る必要があります。
境界線を決める3軸(月商×キャッシュレス比率×客単価)
判定に使う3軸は以下の通りです。
- 月商:1ヶ月あたりの総売上。手数料率の絶対額に直結します
- キャッシュレス比率:売上のうちキャッシュレスで支払われる割合。立地・業態・客層で大きく変動
- 客単価:1回の会計の平均額。低単価×高頻度なのか、高単価×低頻度なのかで設計が変わる
3軸の組み合わせを単独で見ても判定はできません。たとえば月商200万円でも、キャッシュレス比率20%・客単価500円のラーメン店と、キャッシュレス比率80%・客単価8,000円の美容サロンでは、必要な決済端末・周辺機器・入金サイクルの設計がまったく異なります。だから3軸を掛け合わせて見ます。
業種別4分岐早見表(飲食店・小売店・美容サロン+移動販売/キッチンカー/イベント出店)
主要な開業業種を3軸で整理した早見表です。初期費用判断のための目安としてご活用ください。
| 業種 | 月商の目安 | キャッシュレス比率 | 客単価 | 0円スタートで足りる/有料推奨 | 選定根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 飲食店(カフェ・小規模ランチ) | 100〜300万円 | 30〜50% | 800〜1,500円 | 0円スタートで足りる | 単価×頻度が中位、月商が読みやすい |
| 小売店(雑貨・物販) | 100〜400万円 | 40〜60% | 2,000〜5,000円 | 0円スタート可/高単価帯は有料検討 | 客単価次第で入金サイクル要件が変動 |
| 美容サロン(個人店) | 50〜250万円 | 60〜85% | 5,000〜10,000円 | 有料プラン検討推奨 | キャッシュレス比率が高く手数料の絶対額が効く |
| 移動販売/キッチンカー/イベント出店 | 30〜200万円 | 30〜70% | 500〜1,500円 | 0円スタート+一体型端末 | 屋外運用・LTE内蔵端末・プリンター内蔵が要件 |
※2026年4月時点の業種別目安です。実際の数値は地域・立地・客層で変動します。
4業種目の「移動販売/キッチンカー/イベント出店」を独立で扱うのは、屋内固定店舗とは導入要件が根本的に違うためです。Wi-Fi環境がない屋外でも動く必要があり、端末はLTE内蔵かモバイルWi-Fiルーター併用が前提になります。
レシートプリンターも一体型のほうが運用負担が軽くなります。競合記事の多くは「イベント・セルフレジ・EC連携」を一つの見出しで並列扱いしていますが、本記事では屋外運用に必要な端末要件で切り分けます。
早見表の使い方と限界
早見表は、自分の店がどのゾーンに位置するかをざっくり把握するためのツールです。3つの注意点があります。
第一に、これは初期費用判断のための早見表であって、業種別の最適サービス選定ではありません。「飲食店だからSquare」「美容サロンだからAirPAY」のような短絡的判定はできません。手数料率・入金サイクル・サポート体制を含めた業種別の最適サービス選びは、記事14(業種別判断+補助金)で詳述しています。

第二に、早見表の数値は「目安」です。月商200万円でも、季節変動が激しい業態(夏限定のかき氷店・冬限定のスキー用品店等)はキャッシュレス比率が読みにくく、有料プランで安全側に振るのも合理的です。
第三に、開業初年度は実績データがないため、すべて「想定値」での判定になります。半年〜1年の運用実績が出た段階で、再度3軸を実測値で見直し、必要なら乗り換えを検討するのが現実的です(ただし代償④の長期利用条件・乗換コストには十分注意)。
【Square】初期費用0円、入金は最短翌営業日月額固定費なし、主要カードブランドの決済手数料2.5%の決済を。
【AirPAY】
業種を問わず初心者が選びやすいのはSquareとAirPAYの2択です。どちらも個人事業主が比較的スムーズに導入できる設計で、自分の店の3軸を当てはめてから公式の最新条件を確認してみてください。あくまで選択肢の一つとしてのご紹介です。
初期費用の経費処理|消耗品費・固定資産の境界
決済端末や周辺機器を「初期費用」として支出した後、確定申告でどう処理するかを、取得価額の区分で整理します。なお、税務処理は取得時の状況・申告区分・改正内容によって扱いが変わるため、最終判断は税理士に相談するのが安全です。
10万円未満は消耗品費で完結する
決済端末本体は0円〜数万円が中心で、レシートプリンター単体も多くは10万円未満に収まります。取得価額が10万円未満の場合、原則として消耗品費等で取得した年に全額一括経費にできます。
ここで重要なのは「取得価額」の判定単位です。決済端末とレシートプリンターを別々に購入した場合は、それぞれ単体で10万円未満かを判定します。一方、セット販売されている一体型ユニットは、合算した価格で判定する場合があります。1セットなのか1機器ごとなのかで扱いが変わるため、見積書・請求書の記載単位を保管しておくことをおすすめします。条文番号や具体的な処理方法は、最新の国税庁公式情報・e-Gov法令検索でご確認ください。
10万円超ケースの注意点(iPad・POSレジと組み合わせる場合)
iPadや本格的なPOSレジ機器と組み合わせると、合計が10万円を超えるケースが出てきます。この場合、税務上の選択肢は3区分に分かれます。
- 一括償却資産(取得価額10万円以上20万円未満):3年で均等償却
- 少額減価償却資産特例:令和8年度税制改正により、2026年4月1日以降取得分は取得価額40万円未満が対象(青色申告者限定/年間合計300万円までの上限あり/対象法人の従業員基準は500人以下から400人以下に変更/適用期限は令和11年3月31日まで延長)
- 通常の減価償却(取得価額10万円以上):法定耐用年数で按分
3区分の選択は、青色/白色の申告区分・年間の購入合計・節税効果の大小で変わります。本記事では3区分の存在を示すに留め、個別事案の最適解は、税理士相談が確実です。確定申告全般の準備や税理士の選び方は、記事13(個人事業主の税理士の選び方)で詳しく扱っています。

よくある質問(FAQ)
ここまでで本文の主要論点は揃いました。最後に、本文では深掘りしきれなかった3つの質問を補足します。
Q. Wi-Fiなしでも導入できる?
A. 技術的には可能です。
方法は2つあります。1つ目はLTE通信内蔵の決済端末を使う方法で、SIMカードまたは内蔵通信モジュール経由で決済データを送信します。2つ目はモバイルWi-Fiルーター併用で、店舗にルーターを置く運用です。
注意点は、いずれの方法でも月額の通信費が発生する点です。固定光回線より割高になる場合もあるため、月額コストの比較を申込前に行ってください。詳しい周辺機器の選び方は前述「キャッシュレス決済の初期費用は5要素で決まる」の要素④を参照してください。
Q. 中古の決済端末は使える?
A. 中古市場は存在しますが、おすすめできません。
理由は3つです。第一に、決済代行業者との契約は端末のシリアルナンバーやアカウントに紐づくため、前のオーナーから引き継げない場合がほとんどです。第二に、メーカー保証・サポートが切れているケースが多く、故障時の対応が困難です。第三に、PCI DSSなどのセキュリティ基準への適合確認も自己責任になります。
初期費用を抑えたいなら「キャンペーンで0円の新品」のほうが、結果的に安全で安く済むのが現実です。
Q. 法人化前後で初期費用は変わる?
A. 大きくは変わりませんが、いくつかの差はあります。
決済代行の審査は個人事業主/法人で必要書類が異なり、法人のほうが審査が早く通る傾向があります。手数料率や月額料金そのものは同等のサービスが多いものの、法人専用プランを持つサービスもあります。法人化全般の検討(法人口座の開設・税務・登記費用)は、記事12(法人口座)で詳しく扱っています。

まとめ|「0円スタート」が成り立つ店、有料を選ぶべき店
ここまでの内容を、独自結論3本柱で整理して締めくくります。
第一に、キャッシュレス決済の初期費用は「端末代だけでは終わらない」5要素の総額で見るべきです。①決済端末本体代、②設置・初期設定費(自己セットアップが基本でも隠れコストはある)、③POS連携費、④周辺機器(レシートプリンター・iPad・Wi-Fi)、⑤入金サイクルによる手元資金。この5要素を合算しないと、開業後に手元資金が足りなくなります。
第二に、「初期費用0円」は決済代行業の収益モデルとして成立しますが、5つの代償を理解した上で選ぶべきです。①手数料率の上乗せ構造、②解約金・違約金、③最低決済額・月間下限、④長期利用条件と乗換時コスト、⑤対応ブランド絞り込みによる二重投資リスク。この5代償が許容できる店は0円スタートで十分です。
第三に、0円スタートで足りる店と有料プランを選ぶべき店の境界線は、月商×キャッシュレス比率×客単価の3軸で4分岐します。飲食店は0円スタート、小売店は客単価次第、美容サロンは有料プラン検討、移動販売/キッチンカー/イベント出店は0円+一体型端末。早見表は目安なので、開業から半年〜1年で実績データを見直すのが現実的です。
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[CTA④:Square+AirPAY+PayCAS Mobile 並列3社/URL運営者指定]
【Square】初期費用0円、入金は最短翌営業日月額固定費なし、主要カードブランドの決済手数料2.5%の決済を。
【AirPAY】
キャッシュレス決済をまとめて導入・管理するなら【PayCAS Mobile】
自分の店の3軸が見えたら、3社のうち条件が合うサービスの公式サイトで最新キャンペーンを確認してみてください。あくまで選択肢の一つとして、契約条件を見比べてからのご判断をおすすめします。
